シャコに気付かれぬように
Lithograph
20 x 29cm
(ようやく手に入れた。私の好きなネタ。秋の終わり、一番美味しくなる時期。)
サッ
(今ここで見つかるわけに)
サッ
(…見つかってたまるか。夢にまでみた瞬間を目の前にして、私は死ぬわけにはいかないの!さっちん!さっちん私を見守っててね。あなたが命をかけて私に託したこのすしを、私は美味しく食べてやるんだ!だから、)
サッ
(だから見つかるわけにはいかない。夢にまでみた、瞬間が、夢にまでみた…)

(……)
「あ、起きたみたい。おはよう。」
(……)
「ちょっとお父さん、起きたみたい。連れて来て。」
(……)
「ずいぶん寝てたねぇ、もう夕食だよ。父さんたちもう食べ始めちゃったから、こっち来て一緒に食べよう。」
(……)
「今日はおすしだよー、ほら食べよう。母さん、お茶。」